私のゴルフクラブに対する「理想」とは、技量ではなくゴルフ・スタイルに合わせてモデルを選択でき、それでいてちゃんと結果の出るクラブであること。

 

そういった私の「理想」がよく表れているのがアイアンのラインナップ。

 

PROTO-CONCEPT(プロトコンセプト)では

マッスルバックのC01

鍛造キャビティのC03

ツアー・ポケットキャビティのC05

ポケットキャビティのC07

と4つのヘッドタイプを用意しています。

 

この4つのモデルは、構造に違いはありますが、すべてのスペックがリンクした造りになっています。

ロフト角、ヘッド重量をどのモデルもほぼ同じにし、ミリ単位で少しずつサイズは違いますが、形状、F/P等をモデルなりに相互性を持たせて設計しています。

 

 

性能もしかり。

 

モデルごとの性能は追求しつつも、マッスルバックは操作性を重視つつ、鍛造キャビティ、ツアー・ポケットキャビティと徐々にミスへの許容性と直進性、飛距離を重視する設計にし、それでいてどのモデルも打感を損なわない工夫を施しています。

 

そうすることで複数のモデルをミックスしたセッティングしても、形状・打感・打音さえも違和感のないようにしているのです。

 

例えば、短い番手はマッスルバックにし、長い番手は鍛造キャビティかツアー・ポケットキャビティといったセッティングもスムーズにできます。

 

極論、4モデルをすべてミックスすることも可能になるんです。

 

正直なところ単体のモデルで性能を追求するのであれば、こんなにも手の込んだ設計で4つもヘッドはいらなかったでしょう。

 

ですが技量に制限されず、自身のスタイルでクラブを選んでもらって満足してもらえ、楽しんでもらえるアイアンとはいったいどんなものだろうと考えたらどうしてもヘッドが4モデル必要だったんです。

 

 

4つのヘッドは性能を追求するためにとことんこだわりました。

 

まずは素材。

ボディ素材はどのモデルも軟鉄炭素鋼で鍛造製法を採用しています。

最近は鋳造技術が進化していて、鋳造でも良いモデルが作れるようにはなってきていますが、叩いて精製する鍛造製法の方が、良い打感を得られますし、クラブとなった後からでもロフト・ライの調整が容易にできるのは大きなメリットです。

ゴルファーにとってアイアンのライ角は特に重要ですからね。ライ角のFIXはソールの抜けと飛距離に直結します。

 

さらには一つのモデルの中でも性能を追求するために、マッスルバックC01ではロング番手にだけ軟鉄丸棒の中にチタン挿入後に同時単一鍛造をし、打音を揃える為同じ軟鉄でも炭素の含有量の違う素材を使い分けたりと、かなり手間とコストをかけています。

 

設計にも妥協はありません。

アイアンのフェースの厚さは大手メーカーでは同一の厚さのモデルがほとんどですが、ツアー・ポケットキャビティのC05とポケットキャビティのC07、この2モデルはそれぞれ目的に合わせた各々の偏肉設計を採用しています。

 

ここまでこだわってやっと満足いく性能が追求できました。

 

ここまでこだわったお陰で量産性が難しく生半可な鍛造工場では造れなかったのですが、新潟に本社を置く鍛造メーカーにお願いすることで自分の考える「理想」のアイアンを形にすることができたんです。

 

 

クラブデザイナー 宮城裕治


フォーティーン勤務時代にツアープロ用のクラブ開発に携わり、名器「MT-28」を開発。

2006年に独立し()クールデザインを創設。

ヘッドデザインやソール形状など、使用プロのスイングに最適なクラブ設計やグラインドを各々行い、フィッティング支給することで多くのツアープロ、トップアマから支持を受ける。

プロギアの「MTI WEDGE」、ヨネックスの石川遼プロ専用モデルなど、クラブメーカーのウェッジやクラブ開発を手掛け、多くのヒット商品を生み出してきた日本を代表するクラブデザイナー。

ヘッド設計、デザイン、シャフト開発提案はもとより、ヘッド・グラインド、フィッティング、スペック提案、アッセンブリ及び調整まで、一貫して全て行う唯一のクラブデザイナーでもある。