スピン性能とは、コントロール性の追求

20年前、ほとんどのウェッジはアイアンセットの中にあるものでした。ベテランゴルファーなら記憶にあると思いますが、3番アイアンからSWまでの9本、そこにAWが入って10本セットというのが、アイアンセットの基本でした。

名器と呼ばれているウェッジも、当時はその多くがアイアンセットのうちの一本でした。リンクス『マスターモデル』やピン『EYE2』、一連の『J‘s』シリーズなど、ウェッジだけを愛用するプロが続出するほど評価の高かったウェッジも、アイアンセットの流れの中にある内の一本だったのです。

その傾向を変えたのは、やはりタイガー・ウッズでしょう。
プロ入り直後はミズノのアイアンに、ノーメッキのクリーブランド『TA588』を2本入れていました。あまり知られていませんが、『TA588』もアイアンセットの中のウェッジです。その後、タイトリスト『Vokey』やナイキの『フォージドウェッジ』など、ウェッジ単品で存在するモデルを使用するようになりました。

タイガーの影響は絶大です。その後、ウェッジだけのモデルが多数登場し、ツアープロがたちはこぞって愛用しました。繊細で多様なプロの要望に応えるべく、ウェッジのソール形状は飛躍的に増え、様々なタイプのプレーヤーにマッチする形状が考案されました。そして、アイアンはPWまでのセットになり、ゴルファーは思い思いのウェッジを選択して、バッグに入れるようになったのです。

これらの多様なソール形状は、トーナメントで戦うプロたちのニーズによって生まれたもの。上級者には恩恵のある反面、切れ味の鋭いプロモデルに苦戦するアマチュアも急増しました。ソールの種類が豊富になったことで、皮肉にも、自分に合うものが選べない、そしてそもそもプロ用のヘッドが、多くのゴルファーには難しすぎるという問題が生まれています。

『PROTOCONCEPT』は、ソールバリエーションをあえて3種類に絞り込んだ『FORGED WEDGE』を開発しました。「STANDARD」、「WIDE SOLE」、「CUT DOWN」のいずれかで、あらゆるスイングタイプのゴルファーが、最大限のバウンス効果を発揮できるように設計しています。上級者はもちろん扱いやすいのですが、独自のソール・バウンスで、一般的なアマチュアにとっても、よりやさしく使うことが出来ます。

長年の研究に裏打ちされた、このソール・バウンス理論を確かなものにするため、『FORGED WEDGE』は世界最高峰の鍛造工場で製造しています。あらゆる工程にこだわり、高精度で高品質な製品を全てのユーザーに届けられるようになりました。この質感の違いとヘッドの線の美しさは、多くのゴルファーに感じていただけるはずです。

『FORGED WEDGE』は、ウェッジにとって本当に必要不可欠な要素だけを残し、徹底したコントロール性を追求しました。フェースには、様々なライや天候でも安定して強いスピンを生む「フェース・ドット・ミーリング」を採用し、精密なフェース・スコアライン鍛造によって、機械加工以上の精度を実現しています。

これらは、一時期流行した激スピンを生むためのものではありません。曲芸のようにスピンバックして、コロコロとボールが転がってしまったり、ランを見込んだところで急激に止まってしまっては、スコアメイクはままならないからです。

『PROTOCONCEPT』のスピン性能は、あくまでもボールをコントロールするためのもの。悪いライやウェットな天候など、様々な状況で安定して強いスピンがかかることで、打ち出しの高さやボールスピードを適切にし、ゴルファーが思い描いたようにボールを止めることができます。

スピンがかかるということは、ボールがコントロール出来ているということです。『FORGED WEDGE』のソール・バウンス効果と強スピン性能が、ウェッジにとって、本当に必要な機能が何かを教えてくれるはずです。

『PROTOCONCEPT』 ブランドプロデューサー
川崎康史

FORGED WEDGE

STANDARD

様々な局面で、最大のソール・バウンス効果を発揮するベーシックモデル

WIDE SOLE

ソールの幅と高さ、そして革新的なソールRを最適化した複合デザイン

CUT DOWN

大胆にグラインドしたソールで、
多彩なアプローチを実現