設計コンセプトを実現する
最新鋭の鍛造技術

『PROTOCONCEPT』は、ブランドの立ち上げ以来、鍛造製法を採用しています。もちろん、他の製法も検討しましたが、我々のアイディアを具現化する上では、世界有数の優れた鍛造技術を持つ、日本の製造会社の力が必要でした。

アイアンの軟鉄鍛造といえば、昔から多くのファンがいるわけですが、現在、我々が採用している鍛造製法は技術革新が進み、以前とはずいぶん事情が変わってきています。今回はそれを紹介しましょう。

我々の軟鉄鍛造は、一般的に考えられている鍛造製法とも異なります。
軟鉄鍛造といえば、大きめに鍛造されたヘッドを手作業で研磨して、それぞれの形状に成型していきます。小規模生産では、同じ鍛造ヘッドで別のモデルを作るケースも多く、鉄の塊(=鍛造ヘッド)からいかに精度高く、狙った形状に出来るか、その研磨の技を競っているようなところがあります。

それではあまりに職人の技術で精度に差が出てしまうので、大手メーカーでは、鍛造の型をつくり、研磨しろを少なくすることで、精度を向上させています。
熟練した職人による手作業の研磨技術は本当に素晴らしいものですが、生産性と精度を追求すると、出来るだけ手作業を介さず、安定して製造できる方法が必要になります。

『PROTOCONCEPT』は、「今考え得る機能、素材、技法など、全てを盛り込み作り上げる」ことをコンセプトに掲げています。

『PROTOCONCEPT』のヘッドを製造している鍛造工場では、ゴルフヘッドの他に自動車部品や人体を支える人工関節など人命を預かる鍛造部品も造り出しています。
寸分の狂いも許されない自動車部品や人体に埋め込み体の一部となる人工関節には非常に高い精度と強度が求められます。
それらを造り出す超精密な鍛造製法を持つ工場で『PROTOCONCEPT』のヘッドは高精度で高品質を目指して生み出されています。

NEWモデルである『C01TB ic』アイアンに採用した内蔵セラミック一体鍛造製法は、その良い例だといえるでしょう。
軟鉄の丸棒にはるかに比重の軽いセラミック素材を内蔵し、一体で鍛造して設計通りの形状と肉厚を作り上げるこの技術は、他では真似の出来ないものです。

『C01TB ic』と同様に、3D CADによる全番手重心設計を採用した『C03TC』を作る上でも、この高精度のものづくりはかかせません。
厳密な温度管理と精密な高圧プレスによって作られたヘッドは、鍛造を終えた時点で本当にわずかな削りしろしかない、完成形に近い状態で仕上がっています。

その精密な鍛造ヘッドのほんのわずかな仕上げにさえ、機械加工を取り入れて手作業は極力少なく作られます。『PROTOCONCEPT』の設計思想を正確に具現化するためには、ここまでの製造技術が不可欠なのです。

23年のNEWモデル『C01TB ic』、『C03TC』ともに、ツアープロはもちろん、アマチュアにも納得していただける鉄ならではの打感を目指して、最新のテクノロジーを取り入れ、モデルによって製法を選び具現化していくことが『PROTOCONCEPT』のものづくりの基本です。

『PROTOCONCEPT』 ブランドプロデューサー
川崎康史