セットの流れで使うことの大切さ

現代の多くのアイアンは、ストロングロフト化によって飛距離性能が向上しましたが、各番手の飛距離の階段は流れが悪くなっています。ストロングロフトのアイアンの多くが、上の番手では飛距離差が出しにくく、下の番手では15〜20ヤード近い距離差が出てしまっています。たしかに飛ぶのかもしれませんが、これではゴルフというゲームを進める上で、だいぶ難しくなってしまうでしょう。

『PROTO-CONCEPT』は、セットとして飛距離を打ち分けるという、アイアン本来の機能を重視しています。ラインナップしているアイアン4モデルが、いずれもしっかりと高さが出てスピン量が確保され、どの番手でも同じようにグリーンが狙えるように設計しています。

バランスが良く、構えやすい形状にも統一性をもたせているので、上の番手だけ許容性の高いモデルにするといった、コンボアイアンにすることも可能です。全く雰囲気の違うアイアンで組み合わせても流れは良くなりませんが、『PROTO-CONCEPT』の場合は、組み合わせても自然と良いセットの流れができるようになっているのです。

そんな設計コンセプトのもと、あくまでもアイアンセットの流れで打つことが出来るアイアン型ユーティリティが、『C01.5』ハイブリッドフォージドアイアンです。中上級者が満足できるシャープな形状で、ミスへの強さと球の上がりやすさ、そして何よりもグリーンで止まりやすい、ピンを狙うクラブとしての機能を追求しています。

現代のスピンレスなボールでは、ロングアイアン自体が昔に比べてかなり難しいクラブになっています。男子プロですら、上の番手にユーティリティやポケットキャビティを入れるなどして、球の上がりやすさやミスの許容性を補っている現状があります。

『PROTO-CONCEPT』では、ボールが上がりやすい深重心ポケットキャビティの『C07』以外は、アイアンセットを5番アイアンからに設定しています(※『C07』は4番から)。グリーンを狙える高さとスピン量を確保して、一般的なアマチュアでもコントロールできる番手の限度が、おそらく5番アイアンあたりになるのではないでしょうか。

そして、その上の距離を担うのが、中空構造を採用した『C01.5』ハイブリッドというわけです。しっかりと高さと距離が出せて、それでいて飛びすぎず、シャープな形状を維持することで、アイアンセットとの違和感のない流れで使うことが可能になります。

クラブセッティングという観点から考えた時、そして、ゴルフというゲームを進めることを想定した時、クラブは出来るだけ番手間の流れを重視したいのです。上はドライバーからのウッドの流れ、下はウェッジからのアイアンの流れで構成されるゴルフクラブにおいて、ウッドでもアイアンでもない形状のユーティリティが、時にはセット内の異物として、バランスを欠いてしまう原因になることもあるのではないでしょうか。

ウッド型ユーティリティが苦手な人は、そんな違和感を感じているのではないかと思います。『C01.5』ハイブリッドは、単体で打っても優れたアイアン型ユーティリティですが、アイアンセットと組み合わせることで、なお扱いやすいクラブになります。振りやすく、やさしくボールが挙げられるので、ロングアイアンが苦手な人はもちろん、ユーティリティ自体が上手く打てない方にも有効なクラブに仕上がりました。

『PROTO-CONCEPT』 ブランドプロデューサー
川崎康史