ゴルファーが求める
ソール・バウンス効果
サンドウェッジがアイアンセットに含まれるものではなく、単品で購入するものになってから20年以上が経ちました。現代は、どのメーカーも何種類ものソールグラインドをラインナップして、ゴルファーのニーズに応えています。
ソール幅が狭いものや広いもの、ソールに厚みがあるものや逆に大きく後方が削られたものなど、多くのソール形状がラインナップされているのはなぜでしょうか。それは、プレーヤーによって、またライや状況などによって、求めるソール・バウンス効果が異なるためです。
バンカーが苦手な人やアプローチにやさしさを求めるタイプのゴルファーであれば、バウンス角は大きく、ソール幅が広いものを選ぶのがセオリーでしょう。フェースを開いて使いたい上級者であれば、開いたときにバウンスが邪魔にならないように機能して欲しいものです。
このようなゴルファーの様々なニーズから、ウェッジのソール形状も色々なものが増えてきました。あまりにも種類が多く、選びづらいと感じている人も少なくないでしょう。自分にとって、どんなソールが必要なのか、理解しているアマチュアはそれほど多くはないからです。
ツアープロの多くは、既存の形状からさらに自分の好みに応じてソールを削っています。開いたときにバウンスが邪魔にならないようになど、自分がより機能して欲しいというソール形状に微調整しているのです。これだけ形状に種類があってもプロたちは満足せず、自分好みのソールの当たり方を追求しています。そのことは、ウェッジという道具の奥深さを物語っていると言えるのではないでしょうか。
それぞれのゴルファーの好みを追求するとしたら、ソール形状はそれに合わせて無限に必要になります。さらに言えば、ライや状況の違いもあるわけですから、その時々のショットに必要なソール・バウンス効果は異なります。そんなふうに考えていくと、自分にあったソール形状をどう選んだら良いのかがわからないのは、理由のないことではないのです。
『PROTO-CONCEPT』は、無限のバリエーションがあるウェッジのソール・バウンスを3タイプに集約しました。様々な腕前のゴルファーの多種多様なスイングタイプを分析し、それら全てを網羅できる3つのソール形状です。
実際の開発では、ボールコントロールに本当に必要な機能だけを残して、あとは削ぎ落とすという作業を行いました。これまでのメーカーが行ってきた、必要なソール形状を増やすやり方とは全く異なるコンセプトで設計したのが、『PROTO-CONCEPT』の『FORGED WEDGE』なのです。
オーソドックスな形状で操作性抜群の「STANDARD」は、実は3タイプの中で最もソール・バウンス効果の大きなモデルです。ハンドファーストで入射角がより鋭角なタイプにマッチします。深いラフや柔らかいバンカーでも効果を発揮する、バウンスのやさしさをより感じられる形状です。
「WIDE SOLE」は、より緩やかな入射角のゴルファーがやさしさを感じることの出来る形状です。ソール幅とソール高の複合デザインと我々の研究成果であるソール“R”が、地面の滑り感を感じられるソール・バウンス効果を生み出します。
「CUT DOWN」は、有効なソール・バウンスだけを残して大胆にグラインドを施したモデルです。フェースを開いてもバウンスが増えず、ソールの当たり感を感じない独自の形状で、フェースを開いて多彩な技を駆使するプレーヤーにマッチします。
素材はあえて軟鉄鍛造にこだわり、個体差が非常に少ない高精度で仕上げています。せっかく設計したソール形状に個体差があっては意味をなさないからです。
『PROTO-CONCEPT』独自のソール・バウンス理論から生まれた『FORGED WEDGE』。使えば使うほど、その優れた機能が感じられるはずです。
『PROTO-CONCEPT』 ブランドプロデューサー
川崎康史